アファーマティブアクション(肯定的差別是正措置)は、人種や性別などへの差別や不平等が存在した社会において、不平等を補正するために取られる政策や措置のことを指します。
米国などでは大学入試などで積極的に活用されてきました。
しかし、最近アファーマティブアクションが違憲であるとする判決が出ました (参考記事)。
私も、アファーマティブアクションでは、努力した人た人や才能のある人が公平にされなくなってしまうため、否定的にとらえています。そこで、今回アファーマティブアクションによるメリット、デメリットをまとめました。
アファーマティブアクションの利点
①平等と多様性の促進
アファーマティブアクションは、過去の差別や不平等を解消するために導入される政策です。特定の社会的・経済的グループやマイノリティに対して、教育や雇用の機会を提供することで、平等なチャンスを確保し、多様性を促進します。
②公正な社会の構築
アファーマティブアクションは、社会的な不平等を是正し、公正な社会を構築するための手段とされています。これにより、経済的に弱いグループやマイノリティの人々にも機会を与え、社会的な格差を縮小することができます。
③多様な才能の発掘
アファーマティブアクションによって、機会がより多様な人々に開かれることで、潜在的な才能を持つ人を発掘することが可能と考えられます。これによって、社会全体の創造性やイノベーションの促進に寄与することが期待されます。
アファーマティブアクションの問題点
①逆差別になる可能性
アファーマティブアクションは、特定の社会的・経済的グループやマイノリティに対して特典や優遇措置を提供することで、不平等を解消しようとするものです。しかし、これによって逆差別やメリットの不公平が生じる可能性があります。例えば、能力や資格の面で優れた個人が不利益を被るケースが生じることがあります。
②ステレオタイプの強化
アファーマティブアクションが特定のグループに対して優遇を行う場合、そのグループに関するステレオタイプや偏見を強化する可能性があります。要は、本当は高い実力を持っているにもかかわらず、アファーマティブアクションで優遇されたのだろうと邪推される可能性がありますね。
③モラルハザードのリスク
アファーマティブアクションによって特典や優遇措置が提供されると、本来の目的である不平等の解消や多様性の促進が実現されず、制度の乱用や不正行為が生じることがあります。
④社会的な分断のリスク
アファーマティブアクションは、一部のグループに対する特典や優遇を提供することがあります。これにより、他のグループとの間に緊張や反発が生じ、社会的結束が低下する可能性があります。アファーマティブアクションが対立や分断を生む結果となることもあります。
まとめ
アファーマティブアクションは、一時的な差別是正措置としては確かに有効かもしれません。しかし、逆差別が生じることや、それにより特定の層の人々への偏見、社会的な分断などが発生するリスクのある制度です。
やはり、これからの時代にはそぐわない制度であり、ちゃんと実力のある人を公平に評価する社会が望ましいでしょう。
コメント
コメントを投稿